手続き方法や条件、メリット・デメリット、その後の生活(クレジットカード)などを解説。

自己破産に関する誤解について

ここで、自己破産にまつわる変な誤解をすべて解いてもらいましょう!

最初に言っておきますが、自己破産というのは人生の再スタートを切るための制度なので、自己破産をすることで人権や人として当然の権利が奪われることは絶対にありません。

妻、夫、両親、兄弟に取立てが行く

保証人でない限り、家族が借金をかぶる必要はありませんし、サラ金側も請求してはいけません。
この行為は金融庁の事務ガイドラインによって規制されています。
サラ金はこの規制を破ると営業停止になることもあるので、家族に借金を求めたくてもできないわけです。

しかし、中にはこれをやぶる悪質な業者も存在することも確かです。
そういう場合は、その取立てをしている担当者に、「家族への取立ては金融庁のガイドラインで規制されているでしょ」と言ってください。
不当な取立てはこれで止まるでしょう。

万が一これでも、まだ取立てを受けていたら、都道府県か財務局に 苦情を申し立ててください。この場合は電話でも郵便でもどちらでもかまいません。 電話の方が早く対応してくれるでしょう。

家財道具をすべて持っていかれる

これも誤解です。
債務者から家具を取り上げて競売にかけたとしても、二束三文にしかなりません。
よほど高価なものでない限り差し押さえられることはありません。
しかも、債務者の最低限の生活を守るために以下のものが 差し押さえ禁止動産といって、とりあげられることはありません。

洗濯機(乾燥機付き含む)、鏡台、冷蔵庫(容量は問わない)、電子レンジ(オーブン付き含む)、瞬間湯沸かし器、ラジオ、テレビ(29インチ以下)、掃除機、エアコン、ビデオデッキ 、ベット、整理ダンス、洋ダンス、 調理用具、食器棚、食卓セットなど。

合計で99万円以下の財産も差し押さえの対象外です。

選挙権がなくなる

自己破産をしても選挙権や被選挙権といった公民権はなくなりません
これは、日本国民の当然の権利であり、誰にも奪うことはできません。

引越しができなくなる

自己破産には同時廃止事件と破産管財人事件の2つのケースがあります。
財産を持っていない同時廃止事件の場合は、いつでも引っ越すことができます。

しかし、不動産や株などを持っている破産管財人事件の場合は、破産の手続きが終わるまで裁判所の許可を取らないと引越しや長期の旅行に行くことはできません。
手続きがおわれば、いままでと同じように、いつでも引越し・旅行をすることができます。

会社をクビになる

あなたが自己破産しても、裁判所や債権者からあなたの会社に破産の通知が行くことはないので、あなたが自分で言わない限り、まずバレません。 万が一、会社があなたが自己破産したことを知ったとしても、自己破産を理由にクビにすることはできません。 それは、明らかな不当解雇です。

裁判で解雇の取り消しと損害賠償を請求することができます。

海外旅行にいけなくなる

海外旅行の場合も引越しと同じで、同時廃止事件のときは自由にできますが、破産管財人事件のときは破産の手続きが終わるまでは裁判所の許可を取らないと行くことができません。

戸籍や住民票に破産したことが記載される

戸籍や住民票に破産した情報が記載されることはありません

しかし、破産者名簿というものは存在します。
これは本籍地の市区町村役場で管理されるもので、破産手続きの開始が決定されたらこの名簿に名前が載ることになります。

でも、この破産者名簿は一般の人が見ることはできません
破産者名簿は、公的な身分証明書、資格・免許などを取得するときに欠格事由がないかどうかを確認するためにあるもので、閲覧できるのは官公署(公の機関のこと)です。

生活保護、失業保険、年金がもらえなくなる

まったくのうそです。
法律で差し押さえることが禁止されているので破産後も以前と同じように受け取ることができます。安心してください。

給料がすべて取り上げられる

これでは、生活ができません。
自己破産は、人生の再スタートを切るための制度なのに、これでは逆に死んでしまいます。

自己破産をするまでに差押をされている人も自己破産の手続きが開始されれば、停止の申し立てをすることができます。まだ自己破産はされていないという人は安心してください。自己破産の手続き開始以降、新たに差押をすることは禁じられているので差し押さえられることはありません。

余談ですが、差押について詳しくお話しすると・・・。

法律では、差し押さえできるのは給料の1/4までと決められています。
つまり、20万円の給料なら差し押さえられたとしても5万円までで、あとは自由に使えます。

ただし、給料が28万円をこえている場合(つまり、手元に残るお金が21万円)には、その超えた金額はすべて差し押さえることができます。 28万円以上の給料ならいくら高くても手元には21万円しか残らず、あとは差し押さえられます。

退職金も給料と同じように、1/4しか差し押さえることはできません。 これは裁判所によって異なりますが、自己破産のときに「今会社を辞めるともらえるであろう退職金」の1/4を債権者に分配するように言われるかもしれません。